2013/01/08

Bournville Factory in Garden in 1879 - Cadbury #9


工場の設計に携わったのはバーミンガム出身の建築家、ジョージ・ガッド。1879年1月に着工、まず従業員用住居16戸が完成、広々とした敷地にバランス良く配置されたセミデタッチ(二軒続きの庭付きの家)スタイルです。そして同年9月、ついに、キャドバリー兄弟の'緑に囲まれた工場’Bournvilleでのチョコレート製造が始まります。

新工場は、以前を知る従業員にとっても一切が目新しいもの。工場の目の前には男性従業員がクリケットやサッカーをするための広場や女性従業員のために植物や緑を楽しめるガーデンが広がり、休憩時間や余暇を充実できるようになっています。また、工場内には従業員が自分の食事を温められるキッチンも完備、作業服に着替えるドレッシングルームにも暖房があったり、という具合。

「生活する空間の環境的条件は、働く場所の条件たりうる」とはジョージの言。

スポーツ好きの兄弟は、スポーツやレクリエーションを奨励、自らもクリケットに興じます。
サッカー、ホッケー、クリケット用の広場に加え、テニスやスカッシュのコート、さらには男女それぞれのプールまで完備、野外ワークアウトや若者向けのサマーキャンプも実施します。1866年に始まる、家族的な一体感をもたらした、朝の礼拝とバイブル・リーディングも規模が膨らみすぎて継続困難になるまで50年以上も続きました。鉄道会社と掛け合い、バーミンガムからボーンビルへ通勤する従業員用特別運賃も設定してもらいます。


従業員に対する労働条件と福利厚生で先んじた経営方針で、キャドバリーのフェアさが一躍注目されることとなるのです。(続く)

The Cadbury Story
(第1話 Birmingham in 1824
(第2話 Crooked Lane in 1831
(第3話 The Range Expands by 1842
(第4話 Moved To Bridge Street in 1847
(第5話 John's Sons Take Charge in 1861
(第6話 Innovative Technique Introduced in 1866
(第7話 Cadbury's First Easter Egg Made in 1875
(第8話 Brothers New Vision in 1878